レモンイエローの窓

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強制の部活動と帰宅部

今朝見たニュースによると、10代の入りたい部活ナンバーワンは「帰宅部」らしい。

当時からそうありたいと思っていた身としては、いたく共感できるランキングだった。

 

私の思いは、一文でまとめるなら「エンジョイ勢とガチ勢で分ける」。

・学校の外のクラブ活動にする。

・教員が顧問、ではなく外部の経験あるボランティアに、対価を払って委託する。

・やる、やらない、どの部(クラブ)に参加するかは自由意志にする。

・ガチ勢はたくさんやりたいだろうから、今のようなペースでいい。そういうコースも用意する。

・それ以外は頻度は週2〜3くらい。

・土日は休む。長期休暇もしっかり休む。

 

 

私が通った学校は、地方の小さい小さい町の中学校だったから、部活の選択肢なんてほぼなかった。

女子、男子それぞれの運動部が2つずつと、文化部が1つ。

運動部の応援団的ポジの吹奏楽部もない。人数が少なすぎるからだろう。

担任から言われたのは、「必ずどれかに入部。身体的事情のない人は運動部に入るように」。

まずこの時点で理解できなかった。なぜ選択に制限をかけられなければならないのだろうか?

文化部に見学に行くと、女子ばかりでとても少人数だったけど知っている人の顔もあるし、他メンバーに聞いても「身体的事情」など特になさそうである。

運動部に見学に行くと、激しく偏りがあった。

1つは鬼顧問で、パイプ椅子が飛んでくるような指導。

少数精鋭で、「本当にこのスポーツが好きなんです!」みたいな実力者しかいない。

もう1つは・・・上記理由からか、たいへんな大所帯である。

学校側からの一方的な制限と消去法により半数以上がその部を選んだように見えた。

 

強制ならば文化部一択だったのに、担任には思い留まるよう諭された。

スポーツ苦手なのに。運動神経もなく、小学生時代の体育の成績はいつも「励ましたい」。(と言いながら、実際に励まされたことはないし、できるように指導されたこともなかった。)

結局、クラスメイトに誘われた大所帯の運動部にしぶしぶ入部届を出したけれど・・・

集団の和に入っていくのが苦手だったから、とにかくしんどい。

ペアを組んで練習のときにはペアになる相手を見つけられないし、誘ってくれたクラスメイトは別の人と組んでいる。

オロオロ、ウロウロしていて挙動不審な姿はさながらカオナシである。

見かねた3年生がペアになったときの申し訳ない気持ち。

初めて(強制的に)やったスポーツだけど、ルールの説明もなく、やり方や技術の指導もなかった。

周りをよく観察して理解するのが課題だったのかな。集団生活って割とそうだよなあ・・・私には難易度が高かった。

週の大半が、走って腹筋。球を触れる機会はあまりない。運動苦手、興味のないスポーツ、アウェイ感。奪われる休日・・・

 

行かなくなった。

 

私はあの運動部からは学べなかった。 

授業が終わったら、あとは自分の好きなことをしていたい。

やりたいことはたくさんある。創作したり、本を読んだり、楽器を弾いたりしたい。 

身体を動かすのは、体育の授業だけでいい・・・

 

しかし、地方の小さい中学校、一人先に帰るのはとても目立つし、そもそも部活に出ていないとすぐに担任に分かる。

苦肉の策は、文化部に居候。

隣のクラスの同級生が優しく受け入れてくれて、救われた。

このままここにいればいい、と言ってくれたおかげで、決心。

晴れて文化部へ・・・

 

とスムーズにはいかなかった。

親まで呼ばれて三者面談である。ヤベェ事になった。

入部届をあの運動部で出していること。ハンコまでついてるんだよ?と言われた。

契約書か何かか。三文判だし・・・(実印押すときは慎重にな!!)

部活を変えることはそんなに大ごとか。どこに強制力と根拠があるのか。親が必要なのか。

不参加より、ちゃんと参加するほうがまだ大切ではないのか・・・

 

長い面談の後、変更届みたいなものを書いて、ようやく部の変更ができた。

大げさだ、と思った。

 

あの学校の文化部には、もう一つ謎のルールがあった。

男子は文化部禁止、である。

実質、男子生徒は2つしかない運動部のどちらか二択になるわけである。

落ち着いてから周りをよく観察してみると、「帰宅部」を名乗る上の学年の男子生徒たちがいた。

彼らは楽器を弾きたいのに、それを実現できる部はなく、文化部に入ることも許されず、オフィシャルに立ち上げることも認められなかった。

あの小さな町の小学校は、6年生になるとクラブとは別に全員で金管バンドをやるのに、中学生になったら男子生徒は楽器ができなくなる。

明確にやりたいことがある、今思えばかなりしっかりした中学生なのに、今度は性別の関係ない活動で性別による制限がある。

服装が乱れていることもなく、素行不良もなく、何か騒いでいるわけでもない「帰宅部」。ただ静かに、理不尽な規則に対する抗議の意志を感じた。ロックだ。

 

ずいぶん前の話だ。今、あの学校の部活がどうなっているかは分からない。

 

人の少ない地方で、統合できる程度の近距離に別の学校もなく、小さな単位でやるしかなかったんだろう。教育の在り方とか、リソースとか、かんたんにどうこうできるものではないのも分かっている。

よく言われる「中学生の有り余るエネルギーを不良行為に向けないため」に部活動を強制する必要があるのなら、せめてもう少し、選択肢を増やしてほしい。

文化部に性別は関係ないし、極端な二択の運動部は実質選択肢がないし、なんなら個人的な習いごとでもいいんじゃないかと思う。

 

なるべく多くの人に、部活の「いい思い出」が残るようになったらうれしい。 

 

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