レモンイエローの窓

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【好きな外食チェーン】デイリークイーンの話をしようか

フィッシュバーガーとかつてのショッピングセンターの話。

 

私は好き嫌いが多い。

克服すべく今もがんばっているけど、割と早期に克服できた好き嫌いのひとつ、白身魚のフライ(※骨なしに限る)を食べられるようになったのは、デイリークイーンのフィッシュバーガーが最初だった。

遠いとなり町の、小さなショッピングセンターの1階にあったデイリークイーン。店員さんは、色白でクールな感じの女性と、身体の大きな男性の二人だった。

それまではポテトくらいしか食べられるメニューはなくて、もっぱらソフトクリームを食べるお店だった。チョコスプレーのたくさんかかったソフトクリームを注文して、いつも(なんか違うな・・・)と思いながら食べていた。チョコはとろけてほしかったのに、チョコスプレーはとろけないのだ。今思えば、ノーマルソフトクリームかチョコソフトでも頼めばよかったのだけど、当時はあのチョコスプレーの誘惑に勝てなかったんだな。

 

フィッシュバーガーをなぜ食べたのか、どんなきっかけだったかは覚えていない。

ただ、初めて食べた小学校高学年くらいのときに、あまりのうまさに感動した記憶はある。

デイリークイーンのフィッシュバーガーの何がよかったかって、キャベツの千切りが入っていたこと。

キャベツの千切りがふわふわでたいへん素晴らしかったわけ!

揚げ物にキャベツの千切りを添える理由がそのときわかった。つけあわせはこれ以外あり得ないと。消化にもいいんだよね!

クセのない白身魚のフライは、私にはとても食べやすかった。キャベツの甘みと、タルタルソースのすっぱさ。いわゆるソースもかかっていたような気がするけど、なんせ20年以上前のことだからそこまでは覚えていない。

狭いイートインコーナーで、壁側に陣取って道行く人たちを眺めていた。

たまに連れて行ってもらったこの小さなショッピングセンターの一番の楽しみだった。

 

幼きころは、屋上から出ているアドバルーンに何故か憧れていた。ファンシーグッズがたくさん売っていて、幼い私の心を鷲づかみにした。同じフロアには本屋さんもあって、そこでよく本を買った。ここで買った、中高生では訳に立たないとある本は、高校進学後クラスメイトも偶然その本を持っているといって話すきっかけになった。その本屋さんの隣にはゲーセンも入っていて、バージョンは違えど好きなゲームも置いてあった。

内装は白で明るく何でもあるショッピングセンターは、私の中では憧れの場所であった。

 

高校生になって、電車に乗るべく毎日その町までバスで出るようになった。バスの定期券は私とその町をとても近くした。

だけど。

放課後に飽きるまで食べられるな、という私の目論見は残念ながら失敗に終わった。デイリークイーンは閉店してしまったのだ。

ここまで来る自由をようやく手に入れたのに。

生き物系の好き嫌いを克服した初めての食べ物だったのに。

近隣の店舗も知らない。

閉店するって、せめてもっと早く知っていれば・・・

 

高校は、そこから更に電車で30分以上揺られて行く。

(私の中ではピカイチで都会の)大きな町だった。

駅周辺にはショッピングビルが複数あって、通りを歩く人の数もはるかに多かった。欲しいものは、さらに手に入りやすくなった。品揃えのいい画材屋さんがあった。おしゃれなカフェもあった。本屋さんはもっと大きなものがあった。

デイリークイーンはなかったけど。

かつての憧れの場所は、だんだんと遠くなっていった。

 

数年前、その中に100均があると知って行ってみた。

久しぶりだしあのショッピングセンターに行こう。懐かしさもあってワクワクしながら行った。

そういえば駐車場って裏側にあったよなあ、なんて思い出してそこへ止めた。

中に入って、あまりの変わり様に愕然とした。

全然人がいない。店員さんもみかけない。

照明は古い蛍光灯で薄暗い。

空になったテナントスペース。

お手洗いのそばから見えるバックヤードには、見覚えのある什器が押し込まれていた。

わずかに残ったお店もかなり変わっていて、かつての面影はなかった。

人が行かなくなった理由を私はよく知っているはずなのに、とても悲しくなった。自己中なことこの上ない話である。

それからほどなくして前の道を通ったとき、そのショッピングセンターが取り壊されることを知った。

それを見て、デイリークイーンに行きたくなった。あのフィッシュバーガーを食べたい。

近くにないのは知っていたけど、どこだろうと今の私なら行ける。なんとか自立してたくましく生きている。大好きな車に乗っている。愛車でドライブ、最高じゃないか。バイクでDQツーリングでもいいんじゃない?

ネットで調べて、ショックは重なった。

デイリークイーンはあのとき日本から撤退していたのだ。

知らなかった。

撤退していたなんて。

リビングに行かないということは、テレビを見ないということ。テレビには今も興味はないけど、新聞も取っていないあの家では世の中の出来事に疎かった。

惜しくもあのときの一口が最後になってしまった。しかも閉店するなんて知る前の春。もっと味わって食べるべきだった。今さら言っても遅いけど・・・

飽きるまで食べたかった。

もう国内では食べることができない。

アメリカ圏内はあるようだけど、グアムにはないらしい。ダイビングついでに寄る、ということも叶わない。そもそも味は一緒なんだろうか?だいぶ記憶から薄れてしまっているけど、別物が出てきたらがっかりしてしまうだろう。

 

思い出の味も思い出の場所も、もうない。

 

もう一度あのフィッシュバーガーを食べたい。心ゆくまで。

デイリークイーンさん、いつ戻ってきてくれてもOKですぞ!

 

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